60年代のリアル

著者 :
  • ミネルヴァ書房 (2011年11月30日発売)
3.38
  • (4)
  • (8)
  • (16)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 158
感想 : 19
3

まず、この語り口、なんか懐かしいな、と感じました。思い出したのが本書でも触れられている作家、庄司薫の「赤頭巾ちゃん気をつけて」の一人称。なんか、今の若者が60年代の話法を借りて、若者性を獲得しているような印象でした。あの時代に対する純粋なシンパシーの強さが、現在という視点を希薄にしているのかな…もちろん、テーマは「リアルな肉体感覚」というインターネット時代の今ならではのものなのですが。もしかしたら、薫くん的自意識を封印してクールに分析された方が鮮やかだったかも。いや、もう一回グルッと回って論旨より、現代の23歳が60年代の若者のキャラにチェックインしているのが本書の魅力なのかも。最後の文献紹介の饒舌は心地よかったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年2月25日
読了日 : 2012年2月20日
本棚登録日 : 2011年12月26日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする