電通巨大利権: 東京五輪で搾取される国民

著者 :
  • サイゾー (2018年4月10日発売)
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感想 : 10
5

日本最大手、世界規模では5位の広告代理店である電通は、なんとなく胡散臭い会社と思っていた。  
この本では、電通の深い闇を光を当てて、さらけ出している。電通は、日本をダメにした確信犯的企業かもしれない。よく、こんな会社が、メディアを支配していると思うと恐ろしいばかりだ。
戦後日本のテレビ、ラジオ、新聞、雑誌において、売り上げシェアがずっと第1位だった。シェア1位の企業は、価格決定力や交渉力が強かった。テレビやメディアを食い物にして、メディアばなれを起こしたのは、電通だった。1業界1会社という世界の広告業界を、電通では無視。同じ会社だったら情報管理のリスクが多いにも関わらずなぜ?オリンピックスポンサーも同様。
 2016年度 日本の総広告費 6兆2000億円。電通のシェアはテレビが、約1.8兆円の37%。新聞が約5400億円の16%。雑誌が約2200億円で12%。ラジオが約1200億円で11%。電通の連結決算売上高は、約4兆9千億円。海外の売り上げが3兆円。電通ネタ、電通の不正問題は、タブーとなる。
起こした事件は、1991年、男性社員自殺。靴底にビールを入れて飲まされる。2015年東大卒の新人女性社員自殺。パワハラ、セクハラ、そして時間外労働130時間以上。労働基準法違反。コンプライアンスのクソもない。2016年広告主であるトヨタ自動車からインターネット広告の契約不履行。不正被害は計約2億3000万円に上ると想定。結局100社以上の不正。それでも、電通を使い続ける。
2020年東京五輪エンブレム盗作騒動。2020年東京五輪招致における裏金関与疑惑。オリンピックで4000億円近い収入があるも、9万人近い無料ボランティア、ディレクターは1日、日当35万円。コロナ禍。持続化給付金事業の受託をめぐる問題。自民党とあべ・すがの提灯持ちなど、まぁ。腐っている。
 それでも、メディアで不動に君臨する電通。栄誉あるブラック企業大賞も2016年に授賞。「過酷で人権侵害的な労働環境をまともに改善することもなく放置し続けた」と授賞理由。
電通グループは、2019年には、自民党への政治献金が100億円を超える。どのみち国からお金がたんまり出る。電通は自民党の広報担当。
 電通の政商的役割と電通タブー。まぁ。日本のマスメディアは、自民党及び電通さまさまで、腐っている。日本は、マスコミ統制に踊らされている。この本は、電通の闇を暴いている。
高橋まつりさんのTwitterが、切なすぎる。
鬼の仕事十訓は、私は好きで、これに基づいて行動していた時期があった。「仕事は自ら作るべきで、与えられるべきでない」「大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする」「取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂まで」という言葉が好きだった。しかし、社員にこれを強要することはよくない。若い社員を死に追い込んではならない。
電通、あかんぜよ。許せん!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: マーケティング
感想投稿日 : 2021年6月6日
読了日 : 2021年6月6日
本棚登録日 : 2021年6月6日

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