存在しない女たち: 男性優位の世界にひそむ見せかけのファクトを暴く

  • 河出書房新社 (2020年11月27日発売)
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政策等の意思決定の基礎となるデータが男女で区分されていないことで、データ上女性がいないことになり、さらなるジェンダーギャップが生まれると説明する本。
「データがない」ことを示す統計/事例が豊富に引用され、出典表記のボリュームは本書全体の1/3に及ぶという大労作

(時間をおいて追記)女性が社会的劣位に置かれた結果、教育と資産形成の機会がなくなり、シャドウワークの「適任者」として多くの時間を無賃労働に注ぎ込み、彼女らの利益の代表者は議会に送り込まれず、民主プロセスにも参加できない。という中で現に劣位ある女性の描写はそれなりに清潔な東京周辺の暮らしになれているとなかなかのエグみがある。彼女らの状況改善に必要なのはまず強引な父権主義なのだ。問題のあまりのあおきさに、大雑把な鉈を振るうしかなく、本書全編に充ちているイヤミも必要なコストなのかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年5月22日
読了日 : 2022年5月22日
本棚登録日 : 2022年5月12日

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