人間たちの文明が衰退してから多くの年月が流れた地球を舞台に、主人公の少女と「妖精」と呼ばれる不思議な生き物たちとの交流をえがいた作品です。
少女は学舎を卒業したあと、クスノキの里自治行政区に帰り、おじいさんとおなじ「調停官」に就任し、妖精たちの生態を調査します。おじいさんに仕事の内容についてたずねてみても、これといってきめられた仕事もなく、少女は持ち前のゆるさを発揮して、妖精たちとの交流を試みます。
童話のような世界観でありながら、かなり濃いめのネタを放り込んでくるといった著者の遊び心が随所に発揮されており、独特の作品世界に入り込むことができます。「文明」とはいったいなんなのかという問いを、「文明」の外側から問いかけるような批評的な視点を読み取ることも可能なのかもしれませんが、まずはこの雰囲気そのものをたのしみたいと思います。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
少年向けライトノベル
- 感想投稿日 : 2021年7月1日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2021年7月1日
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