社会学といっても、その名前からだけでは漠然としたイメージしか湧かないかと思います。では、日々生活する中で、「社会」というものの存在を実感したことはあるでしょうか。もしあるとすれば、多くの場合、生きにくさや苦しさ、社会と自分との「ズレ」「違和」を感じた時ではないでしょうか。けれども、もう一方で、私たちは「違和」がない「なめらかな」社会を「あたりまえ」に生きてもいます。
本書では、「違和」のある社会と「あたりまえな」社会、この二つの社会との「対話」を可能にする言葉を開発する学問として社会学を捉え、その社会学の色々な言葉が序章を含め全9章(自我論、儀礼論、会話分析、ジェンダー論、権力論、歴史社会学、文化装置論、世界社会論)を通して紹介されていきます。
もちろん、本書を読むことで全ての社会学の言葉が理解できるようになる、とまではいきません。しかし、社会学の基本的な考え方は理解できますし、最後にブックリストとして、章ごとの関連分野の著作とその紹介文が付け加えられているので、そこから自分の興味がある分野について知識を深めていくこともできる、大変役立つ著作です。
(ラーニング・アドバイザー / 国際公共政策 SATO)
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読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
社会科学の本(政治、法律、経済、教育、産業など)
- 感想投稿日 : 2017年6月23日
- 読了日 : 2017年6月23日
- 本棚登録日 : 2017年6月23日
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