星新一本人の言も引用しつつの、ショートショートの書き方についての解説書。
突飛で画期的な方法論が書かれているわけではない、単純明快な内容。けど一作を作り上げるまでにやらなきゃいけない単純な作業が如何に大変かというのが非常によく分かる。形にならなかったアイデアの山の上に作品が成り立っているという点については、今日、メジャー通算3000本安打を達成したイチロー選手が日米通算4000本安打を放った時、「4000のヒットを打つには、8000回以上悔しい思いをしている」と語ったことに通じるものを感じる。
「質はさておきアイデアをたくさん出す」というのはビジネスの世界でも散々言われていることだと思うけど、そういう点では本書をビジネス書として読んでみても面白いかもしれない。ビジネスの世界だろうと文芸の世界だろうと、大事なのは他人の興味を引くことと考えれば、本書は物語を書きたい人以外にも訴えかける内容になっている。
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- 感想投稿日 : 2016年8月8日
- 読了日 : 2016年8月8日
- 本棚登録日 : 2016年8月8日
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