高校3年生、皆からの人気者でバスケ部キャプテンの塚森裕太が、同性愛者であることをカミングアウト。家族、友人、先生などの関係者それぞれの目線で描かれていて、色々な立場の心情に共感できる作品。
カミングアウトして周りに認めてもらい、塚森裕太ときうアカウントをログアウトすれば本当の自分を見つけられると思っていたけれど、実際は違った。自分自身が自分を認められなければ変わらないことに気づいた。本当の自分とは何なのか?
後輩から言われた、産まれる前に同性愛者だと分かっていたら堕されていただろうという酷い言葉により両親を信じられなくなったり、知らず知らずのうちに塚森裕太というキャラを演じている自分、親友を性的な目で見てしまう自分に気付いていくうちに、本当の自分が嫌いになっていく。。
もがきながら出した答えは、自分の中の嫌な部分も、キラキラした人気者の塚森裕太も、全部、自分だということ。
中盤から苦しい場面が続きますが、それぞれの登場人物が自分と向き合って一歩踏み出したラストが爽やかで好印象でした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年6月5日
- 読了日 : 2021年6月5日
- 本棚登録日 : 2021年6月5日
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