西の国の物語~ペルシア神話より (フラワーコミックスアルファ)

著者 :
  • 小学館 (2010年7月9日発売)
4.08
  • (6)
  • (16)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 81
感想 : 9
4

妹が買ってきたので、読んでみました。
画風は大和和紀さんっぽいかなって思いましたが、ペルシア神話を知らなくても十分楽しめました。

霊鳥スィームルグがヒナのシリエルとバリエルに、拾ってきた赤ちゃんザールを16歳にまで育てることを命じ、二羽のヒナは青年の姿になり、立派に育てます。16歳を迎えるころ、ヒナの背中から誤って落ちた先にいたカーブルという国の姫様と恋に落ちます。王様は素性の知れないザールを気に入りますが、周りの国に認めてもらうため、ペルシアに向かい、そこで自分を捨てた実の父に出会うというお話。

シリエルもバリエルもさすが霊鳥のヒナ。文句を言いながらもかなりいい人です。16年育てたザールが、人間の娘に恋をしていると分かると、悩みながらもそれを認め、ザールの危機にはいち早くかけつけ助けます。ザールの相手の姫様も料理が趣味なのは、姫としてどうなんだろうってちょっと思いましたが、ものすごくイイコです。

姫様の父である王様もペルシアの王様もみな善人。
一瞬悪人?かと思ったザールの実の父であるサームも最終的には自分の非を認めてザールに詫びるなど、やっぱり善人でした。
唯一の悪というと、魔王の手下くらいしか思い当たりませんでした。

続きそうな感じで終わってますので、続きがあれば是非読みたいです。

最後は短いですが、ヘブライ神話の「ヨナの受難」が載ってます。
こっちは出てくる神様の名前からも神話っていう感じがしますが、歌をもって、王様の心をとらえ、国を挙げて質素倹約を守ることで、神の意志である、60日後に滅びるという予言を覆させてしまいました。

お話としては、予言を聞いたヨナが予言を伝える街と正反対の方向に旅に出ちゃったのは、それでいいのか?って思いましたが、こういうのもヨナの理由を聞くと納得です。
ただ、後半、王様がヨナの話を聞いたあとからは、さらっと流されてしまっている感じがしたのはちょっと残念でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: フラワーコミックス
感想投稿日 : 2011年1月8日
読了日 : 2011年1月3日
本棚登録日 : 2011年1月3日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする