火崎勇さんの作品は、割と好きなんですけど、これはまさかの心霊ものでした。
幼い頃に訪れた城の塔で見た幽霊の女性と記念に持って帰ったガラスのイヤリング。その女性の姿を見て、恋に憧れ、でも自分の立場で恋を諦めていたディアナ。彼女が大人になり、隣国の王妃に望まれ、期待はしていなかったのに自分の夫となるローレンは優しく幸せ。ここまでは本当に静かな恋の話で、ディアナもローレンも真面目で、政略結婚だけど愛を育もうとしてます。
そんな彼女の変化は、ローレンが留守にしたときから見始めた夢。
昔見た幽霊の女性が夢に出てきて、だんだん自分が彼女になった夢になり、寝ているときだけでなく起きてるときも夢を見るようになって、寝言も言ったり、これはもしやローレンの前で口走って疑われるって展開になるのでは?って思っていたら、まさしくそのとおり。しかもその台詞が「愛してる」だったら、妻の不貞を疑わない夫はいないでしょ。
優しい夫だったローレンが自分勝手にSEXしたっきり、自分を無視し、ローレンが好きなのにそれを説明させてもらえないもどかしさ。ディアナの言うこと聞いてよ!って感じです。
途中、幽霊の女性はローレンの叔母のニナマリアだと分かりましたが、ローレンの叔父イスシスが王位を望んでいないとか、思わせぶりなことを言ってたんで、イスシスと禁断系の何かがあったのかと思いましたけど、名前が違うしって思ってたら、ニナマリアの恋人トランス登場。しかもマズイ状況でニナマリアが表に出てきてました。あのタイミングだったら、不貞確定ですよねぇ。
どんな風に別室に行ったのかは書かれてなかったですけど、激高したローレンにみんな驚くって感じでしょうか。
その後は誤解も解け、ニナマリアが塔にいた状況なども明らかになりましたけど、最後まで読むと、主役二人よりニナマリアの方がインパクトがあったように思いました。
- 感想投稿日 : 2015年7月1日
- 読了日 : 2015年7月1日
- 本棚登録日 : 2014年12月25日
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