日本殺人巡礼

著者 :
  • 亜紀書房 (2017年8月25日発売)
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本棚登録 : 112
感想 : 13
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殺人事件と、その事件が起きた土地の歴史を関連づけながら綴った本。最初は犯人の起こした事件を語る為に、何世代も遡り、土地の歴史にまで言及する必要があるのかと思ったが、本書のタイトルは「日本殺人巡礼」である。なるほど、巡礼ならば土地の歴史に触れるのは当然とも言えるだろう。あとがきの「やはり殺人は、個人の資質というより社会や時代によるものであり、そうである以上、私もあなたも罪を犯さなかったのは、単なる偶然にすぎないということだ。」という一文は重く心に響いた。同じ環境下にあっても事件を起こさない人間も数多くいる、私も以前はそう思っていた。しかし、犯人もまたその状況に置かれなければ事件を起こさなかったかも知れない。そういう意味で、一つの事件を考える時、背後にある人や土地、当時の社会状況というものを無視しては語り得ないものなのだと感じた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 犯罪
感想投稿日 : 2018年1月21日
読了日 : 2018年1月21日
本棚登録日 : 2018年1月21日

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