百錬の覇王と聖約の戦乙女2 (HJ文庫)

著者 :
  • ホビージャパン (2013年10月31日発売)
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感想 : 3
2

うーん、どうもいまいちパッとしないなぁ。
「古代戦乱時代において現代知識を活用する」ってのがコンセプトなんだから、もっと大ネタ小ネタ交えて現代知識を出していかなきゃ駄目だろう。
これじゃただの、良くある、しかも対してレベルの高くない異世界戦記モノだよ。
ただの異世界戦記ものとしてみると、特に特徴もなく魅力の薄い陳腐でありふれた異世界ファンタジーでしかない。
現代知識をどう活用して物語を魅力的なものにしていくかが大事なのに、この物語はそのあたりがまったく出来てない。
もっとこう、戦や政治に限らず、料理とか、生活の知恵と、些細なことから現代知識の優位性を見せていくべきだと思うし、そうじゃなければこの手のお話を綴る意味がない。
ぶっちゃけ、作者の力不足かな。物語に魅力を感じない。

だいたいさ、「百錬の覇王と聖約の戦乙女」ってタイトルからして堂なの?って思う。
まあ、覇王はいい。主人公のありようは確かに王道ではなく覇道なんだから、覇王だろう。
でも戦乙女?そうと言える様なキャラって2巻次点で6人いるヒロインの中でもたったの一人、しかも位置づけ的にはかなりうすーい、第4位のヒロインくらいってのがひどい。
タイトルと内容が一致していないってことは、つまりコンセプトがしっかり出来てないってことなんだよね。
主人公の思い人であり、幼なじみでもある美月はただの女子高生。
主人公の腹心でありもっとも重用されているヒロインのフェリシアは武官というよりも文官。
主人公に思いを寄せ、露出も出番も最も多いと思われるリアーネは戦士ではなく統治者。
で、唯一、戦乙女と言うに足る戦闘力と役割を持ったジークルーネは、ヒロインの中では一番主人公との接触が少なく、ヒロインレベルが非常に低い。
この2巻で新登場したアルベルティーナとクリスティーナも戦乙女というキャラではない。
もちろん、イングリットも戦乙女とはいえない。
どこにいるんだよ、戦乙女。唯一その称を冠せるジークルーネの扱いが軽すぎだろう。

総じて、チープで、レベルが低い。
ただ、文章的には読みやすい。破綻が少なく、ストレスをあまり感じない文章ではある。
ただそれだけの、作品としか思えない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ライトノベル
感想投稿日 : 2013年12月10日
読了日 : 2013年12月10日
本棚登録日 : 2013年12月10日

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