作者さんは、精神科のお医者さんで、もっと質の高い医療を目指して、ER(救急)のある病院の精神科に移ってきた後の話です。
そこはある意味特殊な世界で、緊急の状態で運ばれてきた患者さんを診察し、入院する必要があるかどうかを判断する……というところです。
さまざまな患者さんが出てきて、どのように診察を行い、どういう判断でどう処遇したのか、その後の経過はどうなのか、ということがとても現実的に描いてあります。
……が。
そこは、救いようがないほど現実なので、なんというか、物語性はまったくありません。
よく手記とか読むと、まるっきり物語のように感じられるような場合があると思うんですが、それはそんなことがない……というか、ドラマ性がない、というべきなのかな?
そういう意味では、そういうものを期待すると、かなり拍子抜けしてしまうと思います。
まぁ、そう考えるのも、私がまったくそれとかかわりのない仕事をしているわけじゃないからかもしれません。
この別の側面の現実を私は見てしまっているので、なんだかものすごく想像がたやすくて、正直、言ってつまらなかったです。
でも、一方ではこれが現実なので、全然分からない人は読んで知っておくといいのかもしれません。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
本(その他)
- 感想投稿日 : 2012年6月13日
- 読了日 : 2012年6月13日
- 本棚登録日 : 2012年6月13日
みんなの感想をみる