都心から5時間も離れたところにある、贅沢な旅館「山水館」そこは、セレブだけが知っている場所。
一泊数十万からするその旅館の従業員は、特殊な制度の元、成り立っていた。
かつて、ホテルに勤め「癒しのホテルマン」と呼ばれていた天野心はヘッドハンティングをされて、山水館に勤めることになった。
一流の接客を提供するという山水館では、前職がある心にすらも最低一年間の一年の研修期間を必要とし、ようやく人前での接客を許された身分。
そこに現れたのが、休暇でやってきた大企業の御曹司・野矢慎二郎。
彼は心のことを「気に入った」と言い出し、本来まだアシスタントである心ができるはずのない「部屋付き」に指名されてしまう。
「部屋付き」とは山水館独特の制度で、離れが本館よりとんでもない山水館では、離れに一人、専属の人間を付け、宿泊した客の全てのサービスの責任を負う、というもの。
夜は心以外の従業員さえやってくることなく、こちらから助けを求めることもできない、という状況の中、初めての専属接客で戸惑う心に対して、慎二郎は意地悪で甘い罠を仕掛けていて……
という話でした。
まあ、甘い罠、というよりも心のことを気に入って、心に思う存分甘えて、お酒をちょっと飲ませすぎただけで……そんでもって酔って理性の飛んだ心にオイタをしただけで、全然、めちゃくちゃではなかったような気がする……。
この人の作品は、いつも思うんですけど、それなりにエロいけど、それよりも登場人物がしっかり萌えるように描かれていて面白いなあー……と感心します。
今回は、御曹司×旅館従業員。
ただし、「クビにするぞ!」という脅し系の無理やりではなく、翌日目覚めた心が何もなかったことにしようとすれば、それに乗ってあげるだけの優しさは有り。
心も「クビにされても、田舎の旅館で働いたらわからない」とそういう脅しには乗らないしっかり者だし。
全然、無理やり系ではありませんでした。
ただちょっと、日中は男前の見かけに関わらず慎二郎は甘えん坊系であるのと(心にアーンしてと言ってみたり)、それとは対照的に弟のいる心は見た目に比べてしっかり者。言いたいことは言う性格なのに、夜になったらそれが逆転して、慎二郎にしたい放題されてる心がエロエロな台詞も簡単に言っちゃう(いや、責められて口にしてるので、簡単ではないのだけれど)ギャップにときめくくらいですかね?
犯られっぱなしの受け、とか、犯りたい放題の攻めって訳じゃないのでいい感じで萌えれる小説だったと思います。
- 感想投稿日 : 2013年9月22日
- 読了日 : 2013年9月22日
- 本棚登録日 : 2013年9月23日
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