華麗なる紳士のウェディング (ラヴァーズ文庫 41)

著者 :
  • 竹書房 (2007年5月25日発売)
3.14
  • (5)
  • (14)
  • (47)
  • (13)
  • (0)
本棚登録 : 180
感想 : 16
3

 アンリが恋人だったリシャールと別れてから10年が経った。
 アンリは未だにリシャールを忘れられず、想いを引きずっているもののリシャールからの「会いたい」という連絡を拒み続けていた。
 なぜなら、絶対的な白人至上主義者であるリシャールに、自分が日系の血を引いていることを言い出せないためであった。
 しかし、そんなアンリの前に、10年の時を経てリシャールが姿を現す。
 再会を拒み続けるアンリに対して、交差点で止まっている車の前に飛び出すなど、おおよそリシャールらしからぬ行為に、そして、「アンリが来るまでそこをどかない」と言い張るリシャールにアンリは渋々、連れ去られることを了承するが、リシャールに連れて行かれた先はホテル。
 とりくつしまのないアンリにじれたリシャールにアンリは抱かれてしまう。
 心はリシャールにあるアンリには、それを拒みようがなくて……

 という話。
 物語の「今」としては、アンリとリシャールが再会して、アンリが結婚を発表する日までのたった4日間。
 ただそこに、上手にアンリとリシャールの出会いから今までを絡めてあるので、とても濃い話になっていました。
 それと、この話は「駆け引きはベッドの上で」の番外編のようになっているようで、そちらの登場人物の名前もチラホラ出ています。
 ただ、読まなくても十分に面白いので、問題はなかったです。

 最後はキレイなハッピーエンドになっていて(ちょっとだけ出来すぎたドラマのようでしたが)、いい終わり方でした。
 ただ、前編を通して、慎重派で考え込みやすくリシャールのことに関してはネガティヴなアンリ目線で物語が語られるので、少し、鬱々としていて肩が凝るといえば肩が凝るかもしれません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(BL)
感想投稿日 : 2011年12月24日
読了日 : 2011年12月23日
本棚登録日 : 2011年12月24日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする