里志が大阪に出張していたある日、家から「父親が倒れた」という電話がかかってくる。慌てて、里志は自宅へと戻るが、そこにはほとんど顔を合わせることのない、弟の司がいた。
けれど里志は、いつしか疎遠になっていった自分よりも大人っぽく男性的な弟の司を苦手にしていて、二人の間にはぎこちない空気が流れる。
その中で、里志は司が自分の本当の弟でないことを知ってしまったことを知る。
動揺しているらしい司に、更に里志が上司に渡されたお見合い写真を見つけられてしまう。
そして里志は、里志が結婚するかもしれない、と嫉妬に駆られた司に無理矢理抱かれてしまう。
そして、翌日。
司から逃げ出そうとした里志は、階段から落ちて記憶を失くしてしまう。
そんな里志に対して、司は贖罪の気持ちもあり、甲斐甲斐しく世話をする。そうやって、退院してからも司のマンションに引き取られて同居を始めるが、次第に犯された記憶のない里志に、司は代え難い存在になってきて……。
そんな感じの兄弟ものでした。
記憶を失くした後の里志の思考回路にややご都合主義的な面を感じないこともなかったのですが、これはこれでありなのかもしれません。
記憶を喪失する前の里志の出番がちょっとしかないので分かりづらいのですが。
本当は、里志は懐の広い性格だから、落ち着いて考えたら、普通でも許してたのかもしれない、と思えばなんとか納得できるような気もします。
記憶を失って弱気になっているせいで、あんまりお兄ちゃんには見えませんが、最終的には里志のお兄ちゃん部分に助けられた感じの話でした。
- 感想投稿日 : 2011年11月13日
- 読了日 : 2009年5月12日
- 本棚登録日 : 2011年11月13日
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