チベット 天の大地

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  • 集英社 (1994年6月20日発売)
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感想 : 2
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彼はなかなかいい『写真』を撮るなと思っていた。母は『何を撮ってるのかよくわからない』という。何でもけちつけたいのかしらこの人は…。まあ確かにきれいであまり哲学や人間らしさを感じることができない写真かもしれないが。最後の部分を母に読ませた。でも母は中国があまり悪いことをしたという意識はないらしい。私は、基本的な部分は変わっていないと思う。侵略のようなかたちで中国がチベットへ行き、寺院を壊したり宗教心を奪おうとしたこと。チベットに行ったことのある人が『チベットってなんかもっとエキゾチックな場所だと思ってたけどなんかおみやげ物やさんでいろいろ売りつけられた〜』とか言っていたが、今思えばそれは漢族なのではと思う。人口流入も激しく漢人のほうが人口が多くなっているという。母親は『でもダライラマも中国のことをそんなに激しく非難はしていないしいい方向にいってると言ってるじゃないの。そういう面〔寺院を壊したり〕ということはあったかもしれないけど』確かに自治区として認められてきてはいるかもしれないが、私はチベットが昔のように戻ることはできなくなっていると思う。チベットの人々がなくしてしまったものは大きいと思うのだ。そしていまだに中国がダライラマの入国を認めないだとか、私にはどうして中国が正しいことをしているとは思えないのだ。宗教心というのはひとつの人権であると思う。いつも中国がチベット人の行動を監視していることを考えれば、やはり私はチベットは苦しい想いをしていると思う。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 写真集・写真関係
感想投稿日 : 2006年3月8日
本棚登録日 : 2006年3月8日

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