琥珀枕

著者 :
  • 光文社 (2004年8月20日発売)
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本棚登録 : 107
感想 : 19
5

森福都の中国奇譚集。
とある地方の県令の息子と、その塾師でスッポンの化身である妖怪先生のコンビが案内役。
7話からなる時代劇短編集。

「太清丹」
 不死身の肉体となる仙薬"太清丹"を盗まれた富豪が、ライバルを疑い、復讐を謀る。赤蛭を操る怪しげな青年を雇うが、そいつが娘に目をつけて・・・
「飢渇」
 大食病にかかった男が市中を徘徊。宮中の陰謀に巻き込まれて逃げてきた医師とその姪が、危機を乗り切るために大食病の男を利用。
「唾壺」
 商人の長男でありながら、継母に虐待されて奴隷のごとく扱われている青年の前に、美しい女が現れる。母の死の真相は?
「妬忌津」
 美女を引きずり込む恐怖の渡し、"妬忌津"。体に美しい人面瘡を持つ男が、その渡しに挑む。
「琥珀枕」
 薬枕売りの男が、美しい妻の不義を疑い、人を雇って調べさせる。乗り込んだ男は、間男の殺害事件と、兄弟間の遺産争いに巻き込まれてゆく。真相を知るのは、琥珀で作られた枕?
「双犀犬」
 両親を失った娘が、二匹の犬を連れて祖父を訪ねる旅に出る。途中で出会った老人から予言を与えられ、不運な事件を乗り越えてゆく。
「明鏡井」
 三十三年に一日だけ、水面が鏡のようになる井戸。その日に井戸を覗いた者は、探し求めている相手の姿を見るという。その日に井戸に集まった人々に事件が。

仙薬、大食病、人面瘡、怨霊、予言などの怪異譚。
いつの時代?というのも暗示されてますので、そちらを推測するのも楽しみです。

ニン、トン♪

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ●森福都●
感想投稿日 : 2008年4月11日
読了日 : 2008年4月11日
本棚登録日 : 2008年4月11日

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