これはすごい。
日々の生活に困るシンママが、昔自分を苛めていた同級生の息子の乳母になる。
それがまさかこんな展開になるなんて!面白すぎて1日で読み終えた。
乳母の福美、その乳母に息子をとられる形になり結局シンママになる奈江。
作中でそれぞれの語りに代わるので、どちらの苦悩もよく分かる。
二人とも被害者。
この国は、もう、母性という言葉で女性をがんじがらめにするのはやめないと。
姑の千代のような、過去に女らしさや妻・母という世間が求める価値観で生きるしかなかった人達が、自然と次世代を生きる女性達を見えない檻に追いやるようなことをしてはいけない!
母乳神話、帝王切開への引け目、保育園はかわいそう、母親なんだから⚪⚪は当然、園用の雑巾は手作りしないといけないとか、誰が得をするんだ?!
本当にこの国は、滅びたらいいよ!と、苦い思いをしたことがある私は思ってしまう。
女性からしたら、日本という国はブラック国家だと思う。
この本の結末には希望を感じるが、
同時にああそうだろうな、結局変われないんだろうなという絶望感がついてくる。
表紙の女性の目、光がないでしょ。もうさ、絶望してる目だよね。
読み始めた時はもっと軽めかと思っていたので、いい意味でやられた!
これは未来ある若い男女にぜひ手にとってほしい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2022年5月1日
- 読了日 : 2022年5月1日
- 本棚登録日 : 2022年4月30日
みんなの感想をみる
コメント 3件
pさんのコメント
2022/06/09
ちゃろちゃすさんのコメント
2022/06/09
pさんのコメント
2022/06/09