治天のまなざし、王朝美の再構築: 鎌倉・南北朝時代

  • 吉川弘文館 (2017年1月31日発売)
3.50
  • (0)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 31
感想 : 2

「美術品の制作が無批判に院の政治意思に還元されてゆくようなことが起きているのであり、議論の狭隘化と硬直化が問題となる。/その典型例が、後白河論である」(3ペ)。「現在の美術史における院政期美術の語りもほぼこの石母田氏が作った枠組みに依拠している。その要点は専制権力と公武対抗である」(10ペ)。「世俗の美術に関しても王法仏法相依や転輪聖王の思想を手がかりに、仏教思想に解釈の落としどころを求める論法が絵巻研究を中心にとられる場合がままあるが、こうした仏教中心主義にはあえて批判的である。このような論法においては、仏教的な思想が世俗の説話によって擬装されなければならない必然性の説明が欠けているように思われる」(4-5ペ)。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年1月1日
読了日 : 2017年7月27日
本棚登録日 : 2018年10月25日

みんなの感想をみる

ツイートする