オタクの息子に悩んでます 朝日新聞「悩みのるつぼ」より (幻冬舎新書)

  • 幻冬舎 (2012年9月28日発売)
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感想 : 208
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以前、車谷先生の「人生の救い」を読み衝撃を受けた事がある。
朝日新聞の名物コーナー、“悩みのるつぼ”をまとめた本だ。
なんと、この本も同く人生相談をまとめたものだと言うではないか。
これを読まずにいられようか。

岡田さんは、悩みのるつぼの中でもファンが多いらしい。
なるほど、なるほど。
本書を読むと、いかに時間をかけて相談者に寄り添って回答しているかが手に取るように分かる。
感情に流されることもなく、岡田セオリーを駆使して徹底的に分析して相談の本質がどこにあるのかを抜き出していく。
実践的な回答は、悩みを完全に解決すると言うよりも悩みを軽くすることに重きを置いている。
そして、大事なのは“愛”。
説教でもない、荒唐無稽な回答でもない。
常に相談者の立場に立った答えには“愛”が溢れている。
人気なのも分かるなぁ。
しかもこうやって回答までのプロセスを知ったら益々ファンが増えるんじゃないかなぁ。

ま、正直私には車谷先生の「人生は救いなんてない」というパンチのあるお言葉の方が面白くもあったけど。
実際に悩みを相談する立場になったら、岡田さんご指名かな・・・、なんて思ってみたり。

それにしても朝日新聞の人選には驚かされる。
岡田さん、上野千鶴子さん、金子勝さん、それに美輪さんだもの。
すごいメンバー。
車谷先生もすごいけど、美輪さんなんてそれを超えてるし(笑)
それにひきかえ、(現在は分からないけど)読売の人生相談は弁護士、医者、アスリートと言った面々で、なんとも杓子定規。
回答もどちらかと言うと優等生っぽい回答や、「弁護士に相談しましょう」などと言う具体的な内容が多かったと思う。
それぞれの良さはあるとは思うが、朝日の潔さにあっぱれ!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2014年2月4日
読了日 : 2014年2月3日
本棚登録日 : 2014年2月4日

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