あらゆる小説は模倣である。 (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎 (2012年7月28日発売)
3.45
  • (12)
  • (9)
  • (20)
  • (10)
  • (0)
本棚登録 : 253
感想 : 31
3

クリエティブの神話のウソを暴き出す。結局良い作品とは過去の作品の模倣である。
良いものを作りたいならたくさん読むしかない。インプットの量がその質を高める。もちろんたくさんの失敗の中にしか成功はないからである。出来ない人間は言い訳ばかりで為してないからだ。
とは言えこの本の良いのは、模倣にも工夫の余地はいくらでもあるということ。思いもかけないマリアージュは成功のキッカケになり得る。村上春樹の思い付きも、大好きな外国文学の文体で、日本の物語を表現するということ。スキはやはり強みの源泉だ。
話は変わるが、サイコパスなるアニメはフランケンシュタインのオマージュである。テーマソングが「名前のない怪物」である。ちなみに手術痕のあるゴツい登場人物は「怪物」であり名前はない。フランケンシュタインとは作った人の名前であると最近知った。
よく出来た作品は、骨太のテーマを持つが、これもその一例と言えよう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年2月14日
読了日 : 2015年2月14日
本棚登録日 : 2015年2月14日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする