アイドル帝国ジャニーズ 50年の光芒 (宝島社新書)

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  • 宝島社 (2012年6月9日発売)
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感想 : 6
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ジャニーズ事務所の社長にして、全ジャニーズアイドルのプロデューサーでもあるジャニー喜多川が、事務所設立の1962年から現在にいたるまで、どのような理念・戦略のもとアイドルを世に生み出してきたかを、ジャニアイドルの歴史とともに紐解いていく本作。

この著者の小菅宏という人の立場がよくわからないが、フォーリーブスの活躍と前後して、集英社の「セブンティーン」の編集者としてジャニー氏、ジャニアイドルたちとお近づきになってから、ずっと交流が続いているようだ(帯の煽りにはジャニーズを最もよく知る人物と書かれているが、怪しい)。

作者はジャニー氏と同年代だと思うのだが、そのこともあり話の比重の大部分はこの3つのグループに置かれている。ジャニーズ・フォーリーブス・郷ひろみなどのジャニーズ草創期、ジャニーが展開した戦略が当時の芸能界を席巻した様などはとても新鮮な気持ちで読めた。

残念なのは、amazonのレビューでは、ジャニー氏のホモ疑惑にちゃんとツッコミを入れていて逃げがなくてよい、みたいな感想を見たと思うのだが、実際は少し言葉で触れるだけで深入りは全くしていなかったこと。他に赤西仁のスキャンダルにも言及しているが、ニュースで知れること以上のことは何も書かれていなくて、目新しい話はなかった。アイドルにとってスキャンダルは絶対的タブー。このタブーをジャニー氏はどう捉え対処するのか見てみたかった。

本書では、ジャニーズの醍醐味はダンスにあると強調されて書かれていたが、個人的にはジャニーズ音楽にも戦略的なものを感じているので、ポップミュージックのヒットメーカーとしての面も描いてほしかったと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新書
感想投稿日 : 2012年11月25日
読了日 : 2012年11月25日
本棚登録日 : 2012年11月13日

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