「十二支のコンパス」
スタッフ達の頬がげっそりと削れて行く頃、撮影が終わる。
みんなと別れる淋しさがやって来て、また群れを離れてさすらう日々のしんどさを思うと、仕事はうまくいったのに、なぜか沈んでしまう日が待っている。
次の仕事からは、気持ちなんか入れずに鼻歌まじりで口笛吹いてやるぞ、と思いながら、また次の仕事も、きっとクランクアップがつらくなるような人達との出会いを求めてるんでしょうね。
「お心入れ」
思いが入ってないのにやろうとするから具合が悪いので、本当に思いが入ってるのに、入ってないそぶりするところが格好いいかもわかんないですね。
その他にも、、、
ウサギのお守りはチエミさんからのプレゼントだったのかな、とか、大スターであってもお母様にとっては健さんははいつまでたっても踵のあかぎれを心配させる息子であったんだな。とか。
訥々と緩やかに語られる中に滲む、周囲の人々との熱い温度。
私もじんわりと、ぬるく装いながらも心では熱い愛情で相手を思いやるそんな人間でありたいと思った。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
2015年読
- 感想投稿日 : 2015年8月10日
- 読了日 : 2015年8月10日
- 本棚登録日 : 2015年8月10日
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