星の名前はそれなりに知っていても、「和名」となるとさっぱり。ということを教えてもらえただけでまず僥倖。天体で時を測る生活がすでに遠く、主としてギリシア神話の星の馴染みよさにも覆われて、知らないということさえ知らなかったことに衝撃を受けた。
そこへ著者の情熱と愛を通して、日本語における星の研究をつぶさに見ていける。文庫新版ありがとう。
農耕漁労の助けに由来する呼び名が多いのは想像通りとして、身近な生活の事象そのままみたいな名前まであるのが面白かった。ロマンスやキャラクター性の華とはまるで別種の魅力かも。そうかと思うと時折、人や獣が天に召し上げられて星になったといういかにもな話が出てくるから不思議。
かえって謎を深めたのは二十八宿の日本語訳。言われてみればたしかに、「すぼし」と「なかごぼし」くらいしかそれらしい名前がない。なぜそうなった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
天文
- 感想投稿日 : 2019年3月10日
- 読了日 : 2019年3月10日
- 本棚登録日 : 2019年3月10日
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