日本刀 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店 (1939年5月30日発売)
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感想 : 1
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電子書籍化の知らせで気になっていた。旧字の趣も捨てがたいと悩んだものの、新書はあまり買わない質なのでこっちに。
『刀  文豪怪談ライバルズ!』の予習を兼ねて。

日本の刀剣の成り立ちや変遷、文化・美術・精神的価値を保護する取り組み、鑑賞法など基礎的なところを概説するもの。
基礎的なのではあろうけど、専門的な用語や言い回しは解説する前からバンバン使っているあたり、私のようなズブの素人読者にはさほど易しくもなかった。わからないなりに読んでいても興味深いし、雄弁な叙述が魅力的で、なんとなくついていくうち、だんだん呑み込めてくるのはいいところ。国粋主義的な気炎にはうへえとなっちゃうけど、時代を考えればそんなものか……。その精神が守り今に伝えたものも確かにあるのだと思う。
ここをきっかけに、今出ているものの本にも手を伸ばしてみたい。刀そのものはもとより、戦前と戦後とで国宝や重要文化財のような区分が異なるあたりとか、所蔵先の美術館史とか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 美術
感想投稿日 : 2021年10月30日
読了日 : 2021年8月28日
本棚登録日 : 2021年9月23日

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