ブッダの死生学講座

著者 :
  • アスペクト (2012年8月28日発売)
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間もなく死を迎える人に、どんな言葉をかけてあげられるでしょうか?
病のため、ベッドで寝たきり、あと1か月で命が亡くなってしまうとわかっている家族や友人に「いいことあるよ!元気だして!元気になったらまた○○をしようね!○○に行こうね!」
と心から声をかけられるでしょうか?

亡くなる間際まで、隣にいて寄り添うことはできても、なんと言葉をかけてあげたらよいか、なんとか笑顔を届けて、せめて一緒に居られる時間は暗い気持ちから引き離してあげたいとは思っても、その人を心から笑顔にさせてあげることはできるのでしょうか?

死を目の前にすると、大部分の諦めの上での、上辺の笑顔になってしまいそうです。
本当に心から今の「あなたにも生きる目的があるんだよ」「生きるということは素晴らしいんだよ」と言ってあげられるでしょうか?
あと、数か月の命に生きる意味があると言ってあげられるでしょうか・・・

この本を読み、その疑問が晴れました。

あと数か月の命、あと1ヶ月の命とわかっても生きる目的があるよ
生きているすごい意味があるんだよと、諦めではなく、心から伝えることができます。

例え、病気で手足が動かなくなっても、怪我で手足を切断したとしても、大やけどで全身がひどいケロイド状態になったとしても、寝たきりで食べることも自分一人ではできない身になっても、そんな人にも、心の底から、生きる意味はあるんだよ!と断言できるようになります。
自分が人間に生まれてこられたという命の大切さに気付かされます。

私も父の最後の時に、諦めではなく、上辺ではなく、体が動けなくても
自分のやりたいことができなくなっても、人間には生きる目的があるんだよ、生きているすごい意味があるんだよと心の底から話すことができました。
上辺じゃなくて本当に最後の最後まで寄り添うことができました。

この本と、この講座に出会うことができて本当に幸せです。

■死生学.com■
http://xn--48s178atih.com/

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 哲学
感想投稿日 : 2012年11月30日
読了日 : 2012年10月30日
本棚登録日 : 2012年11月30日

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