筆者はJR東日本の現役幹部で、技術設備系の出身。本書も大半はSuica誕生に至るまでの技術的な歴史で、戦後の券売機自動化から改札IC化、更にはPASMOとの相互開放までを書き起こしていく。
日本には世界に例を見ない都市鉄道網が形成され、ラッシュ時の乗降客数、精緻なダイヤ、距離別運賃制などを見てもインフラの完成度が高い。その中で出改札の効率化を長年追求してきた結果としてSuicaが導入され、ついには電子マネー普及の端緒とまでなっている。
ただできれば、技術史だけでなく電子マネーの経済的な側面、流通業にもたらすマーケティングインパクトにも言及してほしかった。その辺はただいま展開中なので、企業秘密なのかも。
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カテゴリ:
金融
- 感想投稿日 : 2009年4月26日
- 本棚登録日 : 2009年4月26日
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