物語の法則 強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術

  • KADOKAWA (2013年9月27日発売)
3.97
  • (23)
  • (27)
  • (20)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 694
感想 : 27
3

2つの軸から、storyの建て方とキャラクターの開き方と。

・ハリウッドはのるかそるかの業界で、めったに何かを教える時間など割いてはくれないが、私は自分のキャリアの初期、オライオン・ピクチャーズのリーディング担当者をやっていたころに、有益な教えを受けた経験がある。
あるストーリー編集者がリーディング担当者ミーティングの席上で、あなたたちは誰ひとりとしてシーンというものの意味がわかっていない、と告げたのだ。
私は驚いた。わかっていたつもりだった。
シーンとは、映画の短い断片で、ある場所で一定の時間に起きたある動き、そこに与えられた情報を描いているものだと思っていた。
しかしその編集者は言った。ちがいます。
彼女は、シーンというのは、“ビジネス取引”の場なんだと説明した。金は絡んでいないかもしれないが、キャラクターのあいだでの政治的便宜、もしくは権力のバランスの変化がつねに絡むものなのだと。二人かそれ以上の人物が、そこにある一種の取引の処理に介入し、交渉なり闘いなりを繰り広げる。新しい契約が結ばれた時点で、そのシーンは終わらなければならない。
>>/> 変化の取引が意識されていないシーンは、無意味なのか。観客的視点ではシーンの意味など見えない。強烈なプロフェッショナリズム。

・この研究の過程で、キャンベルは、世界の英雄伝説が基本的にすべて同じだということに気がついた―無限のバリエーションのなかで、同じ物語が何度も繰り返されているのだということに。
意識的か否かはともかく、すべての物語構成は神話の古くからのパターンに従っており、粗野なジョークから至高の文学作品まで、すべての物語は英雄伝説に置き換えて理解できる。
これが、キャンベルがこの本に示した、“貴種流離譚(モノミス)”の原理である。
①日常世界→②冒険への誘い→③冒険の拒否→④賢者との出会い(冒険世界の先達からの指導)→⑤戸口の通過→⑥試練、仲間、敵→⑦最も危険な場所への接近→⑧最大の試練→⑨報酬→⑩帰路(冒険世界との別れ)→⑪復活(故郷の入口での再びの試練)→⑫宝を持っての帰還
>>/> 貴種流離譚に大きな原型があると語ったのでは
“無く”て、すべての物語がそれだと言ったのか!そうか、それはすごい。「千の顔を持つ英雄」を読まないと。

・ホッジ教授は、僕に自作の台本をさんざん読み返させ、そこにある秘密を掘り出させようとした。いくつかの
“環境的事実”について、まとめ文を書かせるのだ。
“環境的事実”とは、日付、場所、社会的環境(ex一般的価値観)、政治的環境(ex権力構造)、宗教的環境(ex信念)、経済的環境のことである。ひとつにまとめた全体像ではなく、書く環境的事実について個々の短文を書く。
…ホッジは僕に確約した。もし僕が、自分の書いた“環境的事実”のまとめや、“求めるもの”“相互アクション”“両極対立”の調査から手がかりを見つけだし、正しく解釈できれば、ライターが最初にイメージしていた特別な三次元の世界に入ることができ、その世界を理解できるはずだと。
二次元の脚本をそのままの形で、魅惑的な生き生きとしたパフォーマンスに変えることができるはずだ、と。
>>/> 二次元の脚本の前に三次元のイメージがあるのですよね。ああ、本当にそうだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会
感想投稿日 : 2014年6月10日
読了日 : 2014年6月10日
本棚登録日 : 2014年6月10日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする