からだの一日: あなたの24時間を医学・科学で輪切りにする

  • 早川書房 (2009年10月1日発売)
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本棚登録 : 212
感想 : 25
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「風邪の科学」の著者。知りたいことの視点が面白い。文章は平板。原題が「SEX SLEEP EAT DRINK DREAM」なので、身体反応の仕組みを集めた本。面白い知見が多いので、5年に一度位リニューアルしてくれるといいのにな。

・癌治療薬の多くは急速に分裂する細胞をターゲットにしている。正常細胞が24時間ごとであるのに対し、癌細胞は6~12時間で増える。骨髄や毛穴、消化管内壁なども高速で分裂するのでターゲットとされ、貧血、脱毛、胃腸の不調を副作用として起こす。消化管内部細胞は午前7時前後、脊髄の細胞は正午頃に分裂するが、ある種のリンパ腫は午後9~10時に活発に分裂する。つまり、夜間に化学療法を行えば、副作用を抑えられる。

・「日中に寝なきゃ勤まらなかったさ。自分が背負った責任を果たすにはそれしかなかった。一日が二日になるんだ。まあ、少なくとも一日半になるのは請け負うよ。」ウィンストン・チャーチル
仮眠の効果は夜間労働、長時間労働にも高い効果がある。太平洋を渡って長距離飛行を行うパイロットは反応時間が長くなり、3~10秒のマイクロ睡眠と言われる短い眠りにしばしば落ちる。一部のパイロットは太平洋横断飛行の途中で40分仮眠するよう指示され、平均26分眠った。仮眠しないと飛行最後の一時間半で延べ120回マイクロ睡眠し、着陸準備で降下中の最後の30分には22回マイクロ睡眠した(120回に含む)。一方仮眠すると、同じ一時間半で34回だけで、最後の下降中の30分にはマイクロ睡眠がなかった。

・余分に1000キロカロリーを取ると平均して、1/3は脂肪に1/3は基礎代謝に1/3は非運動性活動熱発生(姿勢を変える、立つ、貧乏ゆすりなど)に消費された。

・「男は目で恋をし、女は耳で恋をする。(ウッドロー・ワイアット)」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2011年9月1日
読了日 : 2011年9月1日
本棚登録日 : 2011年9月1日

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