皮膚感覚と人間のこころ (新潮選書)

著者 :
  • 新潮社 (2013年1月25日発売)
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 皮膚感覚が人間に及ぼす影響がある。著書によると、客にお釣りなどを渡す際に、手に触れると店員に対する好感度がアップし、客がたくさん買い物をするとある。ただし、「王子様」、「きれいなお姉さん」かどうかは関係ないとある。どうせ触れられるならイケメンや萌えーとなるような人の方がいいと思うのが人情だと思う。ひねくれ者のでもない限り。

 人間だけでなく、ネズミでも子ネズミに毛づくろいをして大切にした場合とそうでない場合とでは、その後の人生ならぬチュー生が変わるとある。大切にされた子ネズミが大人になって子供を育てる際、自分がやってもらったように自分の子供を大切にするとある。

 体の洗いすぎは、皮膚が乾燥して、ひどい場合アトピーになるので注意が必要とある。洗うと言って浮かんでくるのが、男性化粧品と女性化粧品の違いだ。前者の場合、「さっぱり」、「すっきり」、「洗い落とす」が商品のキーワードに登場する。その一方、女性化粧品の場合、「もちもち」、「保湿」、「潤い」といったようにただ洗うだけでなく、その後のケアのことまで考えている。男性化粧品は男性と同様、単細胞のようだ。

 この本を読んでいくと皮膚を巡る様々なテーマが浮き彫りになってくる。いろいろな分野から皮膚を語ることができるのだなと思った。皮膚に対する注目度の高さがこの本につながったと言って過言ではない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2013年5月11日
読了日 : -
本棚登録日 : 2013年5月11日

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