様々な外国語に興味を持ち、勉強する人はいても、その体験を本にできる人は自費出版でもない限りそうはいない。
著者の黒田龍之助は、ロシア語を始めとする東欧の言葉に興味を持ち続けている。
この本ははじめて書いたエッセイ集とせつめいしている。
この本のテーマは「言語とつき合うのは楽しい」ということだけだと述べている。
テストのスコアアップが頭の中にある人や外国語学習は英語で十分という人には何だこりゃというタイプの本だろう。
国内だって生活習慣が違うのだから時差の離れた外国になれば、もっと違いがある。
クリスマスの祝い方もキリスト教圏でも様々だと例に上げているのがチェコやポーランド。
「コイ」とあるので、クリスマスだし「萌え〜」「キュンキュン」という恋かと思ったら。魚のコイが話題になっていた。
クリスマス前の街を歩くと、コイを売る露店があちこちに出るそうだ。
大きめのビニールシートプールや水桶に水を張り、その中に生きたコイを泳がせる。
人々は行列を作ってコイを買うそうだ。
しかし、同じカトリック圏でもスロヴェニアやクロアチアになると見かけないそうだ。
この話一つとってもいろいろあるなあ。
フムフムと思ったのは「博物館は語彙の宝庫」と書いていることだ。
古代から現代まで様々な時代の様々な資料を説明しているのだから、ありとあらゆる言葉が登場する。
著者は歴史博物館が好きで、郷土史は特に面白いと述べている。
郵便切手や貨幣なども好きだとも述べている。
外国語学習にはその国の歴史や文化を抜きに学んでもTOEICなら高得点は取れるだろうが、そこから先の段階になるとそうはいかない。
天気の話ばかりしてもいられないからなあ。
- 感想投稿日 : 2023年3月29日
- 読了日 : 2023年3月29日
- 本棚登録日 : 2023年3月29日
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