WIRED VOL.15 (GQ JAPAN.2015年4月号増刊)

  • コンデナスト・ジャパン (2015年3月10日発売)
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 今回のWIRE誌は、デザインを媒介にしていろいろなジャンルとコラボさせている。デザインの世界について日ごろ触れる機会の少ないので、たまにはこういうジャンルをひも解くのもいいものだ。頭の活性化にもなるし。

 1のNormal×designでは、ドミニク・ウィルコックスというイギリス出身の「ヘタウマイラスト本」の作者を取り上げている。WIREDもコメントしているがワーカーホリックに向けられた「シニカルなアイデア」として、「猛烈に働いて死ぬ人に理想的」とドミニクがコメントしている棺桶にもなる仕事用デスク。

 一見、つながりが見いだせないもの同士をつなぎ合わせると、意外なものが誕生する。どこかのブラック企業の職場にピッタリとふと思った。あの国会議員が創業者の居酒屋チェーン店が設置すると、ブラックユーモアを通り越してしまう。

 ハリネズミが道路を通る際に、ひかれてご臨終にならないように道路に設置された防護トンネル。ドミニクのブログの読者からは、「夜間用のライトを付けたら?」と言う提案があったと書かれている。ハリネズミの意見を聞いて見たいところだな。

 2のapple×designでは、アップルの天才デザイナーと言われるジョナサン・アイブが登場している。今日、ニュースになったApple Watchが話題になっている。この装置によって、人と人がどうつながっていくことができるかアイブは注目しているとある。果たして、どんな革命が起きるのか。

 11のextra-ordinary×designでは、「空気を読まない」を育むデザインが取り上げられている。人間支援工学の専門家、中邑賢龍(なかむらけんりゅう)教授が「異才発掘プロジェクト ROCKET」と言う学校を始めたことが話題になっている。同調圧力や画一的な教育(他に言い換えるなら恐育、あるいは矯育)で、押しつぶされている「とびぬけた才能を持っている子供たち15人を選んで、「何か楽しいことをしてみよう」と言うプロジェクトと述べている。10年、20年したらどんな尖った異才が活躍しているのか楽しみだ。日本、あるいは海外で。

 この特集の前に「TVよ、備えよ。Netflixの衝撃に」と言う記事がある。Netflixは、アメリカ発の動画配信サービスの会社で、50近くの国で、5,300万人以上の視聴者がいて、1か月当たり述べ20億時間もの番組を配信している企業だ。日本のテレビ局のドラマの視聴率が悪くなっている理由の一つは、他の配信サービスHuluや、スカパーのようなチャンネルでハリウッド映画やアメリカのドラマを見る機会が増えて、人気が出ると何シーズンにもわたって放送するし、脚本も凝っていて日本のドラマにはない出来になっている。そうなると地上波のチャンネル離れが進む要因の一つになる。

 このWIRED誌は、次回から隔月刊発行されることになり、5月11日発売になる。年4回だけでは物足りないと思っていたのでちょうど良かった。これからも大いに期待したい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2015年3月10日
読了日 : -
本棚登録日 : 2015年3月10日

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