馬と少年 ナルニア国物語3 (古典新訳文庫)

  • 光文社 (2017年3月9日発売)
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ナルニア国物語の3巻目。前作『ライオンと魔女と衣裳だんす』で即位したピーター、スーザン、エドマンド、ルーシーの治世の物語。

ナルニア国の南方にあるカロールメン国の漁師の子シャスタは、父親が自分を奴隷として売ろうとしていることに気がつき、ナルニア出身の〈もの言う馬〉ブリーにまたがり、北へ向かって逃げ出す。旅の途中、これまたやんごとない事情で逃げ出してきた貴族の娘アラヴィスとその愛馬フインと道連れになるも、タシュバーンの街でナルニア国と隣国アーケン国に迫る危機を知ることになり…。

翻訳ものを読むときは、せめてタイトルは原著タイトルを確認するようにしているが、解説にもあるように、本書の原著のタイトルは、“The Horse and His Boy”。そう、「馬と“彼の”少年」なのだ。メインは馬。もちろん、この「少年」ことシャスタが、少しずつ成長していくのが見どころでもある。冒険ファンタジーのおいしいところを、てんこ盛りにしたような本作。おもしろくないわけがない。世界中の子どもが夢中になって読むはずだ。

舞台がナルニアの外にまで広がり、かつ前作とのつながりも、ちらほら見え隠れ。本作のアスランはますます神がかり、訳者が意識しているのか、その物言いまでも聖書の神のようになってきた。物語の世界観がぐんと深まった感があるナルニア国物語。さて、次巻に進もう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年1月3日
読了日 : 2022年1月3日
本棚登録日 : 2022年1月3日

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