日本手話とろう文化: ろう者はストレンジャ-

著者 :
  • 生活書院 (2007年4月1日発売)
3.74
  • (8)
  • (9)
  • (17)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 123
感想 : 17
4

シリーズとして3冊出ているのですね。
「ろうの両親から生まれ育ったろう者。」の著者のメルマガを集めて再構成した一冊。
正直、さくさくと読むというより、「読むぞ」と気合を入れて読んだ感じ。前半がやや固い印象。
今までの自分の(聴者的な)手話に対する認識を改められただけでも貴重な一冊でした。多分、自分の中では今まで「日本手話を第一言語とする文化」を頭では理解していても実感では日本語ありきで、手話は日本語に付随するもの、という認識があったのだと思います。以下、目が留まった箇所の羅列。って引用になっちゃったな。

*ろう者は「合理優先」の文化、聴者は「場・関係優先」の文化
*手話に声をつけて話せば、その場にいるろう者も手話の分らない聴者も、同時に分ることができるというのは「幻想」でしかない。
*手話の語源にこだわる聴者は、手話が日本語に付随するもの、という感覚があるからか。語源に依存した手話学習は×
*ろう者の会話では、イエス・ノー疑問文で何かを聞かれたら、必ずイエスかノーで答え、相手の反応を見てから発話を続けるかどうかを決める。
*日本手話には「目が高い」と「目が安い」の慣用句がある
*腕を組む、という行為の意味基準の違い
*フリクショナル・ムービー(見ていて何か不快を感じさせる映画)~「オレンジデイズ」、「愛しているといってくれ」

続編も読みたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 手話
感想投稿日 : 2017年1月12日
読了日 : 2017年1月12日
本棚登録日 : 2017年1月12日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする