岩波文庫版は原文に忠実で句読点の区別もなく会話を表す括弧もないし旧字体で注釈も少ない。そのため読むのが非常に辛い。
なので新編日本古典文学全集を図書館で借りて現代語訳と注釈を参照して読んだ。この本を読むために借りたのでレビューはここに書きます。
構成は7歳から60歳までの54年間をかいている。
前半は幼いため相手の女が多種多様で主人公の世之介が調子にのって最後に懲らしめられたりするコメディがあったり孕ませた女や子供を捨てたり強姦したり男色にふけったりとパターンがいろいろあり楽しめる。
しかし勘当した父が死亡したことで全財産500億を継いでからは最高の地位の遊女である太夫との大尽遊びに終始。遊女評判記状態となり世之介の物語から遊女の紹介話にシフトチェンジして遊女礼賛・大尽遊びの紹介のカタログ本になってしまってつまらない。
60歳になり急に年を実感した世之介は女護ヶ島を目指して終わる。
長編小説の体だが中身は短篇の集まりで、全体的に筋が通っているわけでもない。明らかに設定に無理がある話もある。
注釈によると古典の引用とパロディが多いらしい。当時の人が読んだら地方の遊女の紹介や遊び方なんてのは面白いだろうが今読むと楽しめない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
文学・古典
- 感想投稿日 : 2020年9月28日
- 読了日 : 2020年9月17日
- 本棚登録日 : 2020年2月8日
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