八つの日本の美意識

著者 :
  • 講談社 (2006年7月22日発売)
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「八つの日本の美意識」黒川雅之

Less is more(神は細部に宿る)
ミース・ファン・デア・ローエ

日本人は人類愛より一人一人に恥じない生活をする事に価値を見出している。全身で感じ、実感が持てる事が大切。抽象的な哲学や見えない神よりも野生的な感覚、身体感覚で知る事を信じる。

西洋は罪の意識、東洋は恥の意識。

「間」の本性は人やモノが発する「気」

仏教の慈悲について、慈は楽を与える母の愛、悲は苦を取り除く父の愛。

現代建築は竣工時が最も美しいのは、自然と呼応してないから。自然と呼応する事で美しく風化する。

知性や視覚よりも触覚を優先するのが日本人。

シンプルにするのが目的ではなく、素材を生かそうとした結果、シンプルになる。

「微」は全体というマクロな視点を否定し、「並」は全体性を持つ構造を否定し、個々の自立性を主張する。「気」と「間」はそれ自体存在しない人か物か音の存在を前提にして生まれる受動的な概念。「秘」は隠す事で語るという、コミュニケーションの否定によって伝達する思想。「素」はできるだけ人の手を加えない。「仮」は固定的な秩序を否定するところから宇宙の秩序が得られるという思想。

日本人は、社会の調和感、秩序感、すなわち美意識の為に生きている。換言すると、「美や気持ちのいい事の為に生きる」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年10月26日
読了日 : 2021年10月26日
本棚登録日 : 2021年10月26日

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