物語は大詰めに。
新羅の危機に自我を失っていくセルティが怖いというか、切ない。
でもって、最大の危機に結局のところ彼女のあるべき姿、多分新羅が一番望まない姿になっていくというか、帰っていくのが悲しい。
が、彼女たちは美しい。
反して、静雄VS臨也は…。
適当な言葉をつなげて、人を翻弄して自分を誤魔化し続けていた臨也が初めて心根を吐露してるように思えるんだけど、でもそれも本当に本音であるとも思えない。
が、臨也の歪みの半端なさはわかる。
ねじ曲がりすぎて、一見まっすぐに見えてしまうほどの歪み。
よくそれを抱いたままで、まっとうそうなふりして生きてこられたよと思う。
うん、やっぱりセルティより、静雄より、なにより化け物なのは臨也なのだろう。
とはいえ、臨也によってゆがめられてしまった竜ヶ崎くんが、このままですむわけないので、やっぱ、ラスボスは彼なんすかね。
あー、なんかこれのテーマって「歪み」なんじゃないかって気がしてきた。
皆、本来あるべきところから、踏み外してるわけじゃなくて、そのあり方がちょっと歪んだだけである。
その歪みが集まった結果は、って話のように思えたきたよ。
歪んでねじれて、あとはちぎれるしか、それしかないのかな。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
邦人作者名 な~の
- 感想投稿日 : 2013年12月16日
- 読了日 : 2013年12月16日
- 本棚登録日 : 2013年12月16日
みんなの感想をみる