廃園の天使シリーズの2作目。
グラン・ヴァカンスの舞台であった”夏の区界”以外の”数値海岸”内の区界におけるエピソードや、数値海岸の外である現実世界でのエピソードが語られている。
どのようにして数値海岸が出来上がったのか、なぜ夏の区界のAIの深層心理には苦痛が刻まれていたのか等のバックグラウンドが語られる。
また、グラン・ヴァカンスでは完全に悪役として描かれたランゴーニの誕生秘話的なエピソードも描かれている。数値海岸というシステムを使えば、どんな設定の世界でも描写することが可能で、無限にお話を作っていけるのではないかと思うくらいに各区界はそれぞれに個性的で魅力的に感じられた。
各区界それぞれで全く違う物語を描ける飛浩隆の筆力は圧倒的だと感心した。
できることなら、もう少しシリーズの刊行スピードが早ければ良いんだが…
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
SF
- 感想投稿日 : 2017年7月15日
- 読了日 : 2017年5月26日
- 本棚登録日 : 2015年12月12日
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