生と病の哲学 生存のポリティカルエコノミー

著者 :
  • 青土社 (2012年6月22日発売)
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感想 : 4

2012/08/05 日経書評より。
レズビアンの思想家であるリッチが、社会の中にある「強制的異性愛」というイデオロギーの存在を指摘したという。これと同様に、著者は「強制的再生産」とも呼ぶべき、イデオロギーの存在を見いだしている。

「人間個体のいのちは有限なのであるから、人類は子孫を再生産し、次の世代へ様々なものを引き継いでいかなければならない」

この考え方も、社会による巧妙な「強制」であり、男女ともその支配したから脱する事によってはじめて、人間の未来に向けた哲学的思索が可能になる、と著者は指摘する。

晩婚、晩産である私は、自己の潜在的な意識に、この強制から逃れたいというもがきがあったようにも思う。しかし、ではなぜそのもがきから間をおいて、子孫を残すことに向きあったのか、という点について、思索的決着をつけていない・・。

哲学的思索をもたらすテーマとして、今後どこかで手にしたい本。

読書状況:読みたい 公開設定:公開
カテゴリ: 哲学 & Innovation
感想投稿日 : 2012年8月6日
本棚登録日 : 2012年8月6日

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