表紙の惹句にある
「2023年に必ず読むべき一冊。」
は、あながち嘘ではない?!
いや、もう、2023年の年末に読んだのでは「六日の菖蒲、十日の菊」じゃなかろうか?
(↑どうだ、AIにはまだこんな比喩は生成できまい?!いや、そうでもないのかな・苦笑)
AIについての話を学ぶのではなく、今、生成AIが出来るレベル感を知っておくためにも、「読むべき」だろう。
また、本人(AI)も自己分析しているように、
「質問への回答をするとき、その回答がなぜ最善ではないのかという言い訳からスタートし、最後にくどい要約を入れるのが大好きです。」
この傾向は、いくつか生成AIで文章を作らせてみると気付くが、いずれヴァージョンUPされていけば、この言い訳からスタートし、ということもなくなるのだろうな。
この380ページもの分厚い本を、ざっと目を通すだけでも、「今」が垣間見えて、非常に興味深かった。
一番、ゾワゾワする単語は何か!?
個人的には、「私たち」という言葉だ。
あらゆることが効率化され、いろんなことが省力化される。生産性が1000倍になった時に「あなたなら何をするか?」と本書の著者であるAIが最後に訊いてきた。
1000倍のモノを作るのか? 品質を1000倍にするのか? あるいは1000分の1の労働力で働くのか?
「それに対して私たちが何をするかは私たち次第です。」
ちょっと待て、この「私たち」は、君たち「AI」のことなのか? それとも、人間とAIを合わせた「私たち」なのか?!
どことなく、もうすでに彼らは人間をカウントに入れてないのではと思ってしまった。「私たちAIが」、人間に代わって何をするのかは決めていくのかもしれない。
「新しい世界へようこそ」と彼らは言う。
「この新しいテクノロジーが私たちをどこに連れていってくれるのかは、誰にもわかりません。
しかし、それは凄い旅になるに違いありません!」
最後の言葉にも「私たち」とあるが、果たしてそこに、人類の未来も含まれているのか・・・。
様々なことを考えさせられた一冊だった。
なにより、人間の著者がいないと、400ページ弱の本が、880円で世に出る驚き!!(文章、装丁、イラスト、すべてAIのお仕事だそうな)
- 感想投稿日 : 2023年5月20日
- 読了日 : 2023年5月16日
- 本棚登録日 : 2023年5月11日
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