E=mc2のからくり エネルギーと質量はなぜ「等しい」のか (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社 (2018年2月15日発売)
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感想 : 34
4

相対性理論の本の中ではかなりわかりやすく、数学的にも概念的にも理解が深まった本だった。
基本的な場の考え方から、電場と磁場がどうできていくのかという関係性、粒子の中で働く力が4種あるなど、大学で相対性理論とかを学んでいない私には新しいことも多かった。

個人的に面白かったのは粒子の中に働く相互作用の力があるという話で、原子核を保つため、クォークで起きる力はパイオンという粒子を経て重力より10の40乗以上つよい力が働くといった想像できない力がある、などの話題。

また、E=mc2乗なので、等価の考えから、エネルギーを使うと質量が減る、なのでγ線を大量に発散する物質だと発散後に質量が実際減っているという話も面白かった。そして、数学的にもわかりやすかったのが光の速度の「空間➗時間」という変換。これが相対性理論のコアなのだが、光子が最もスピードが速いものだとしたとき、この速度が常に一定の秒速30万キロとなるから相対性理論が成り立つ、というのはなるほどと思えた。

他にも、量子力学における位置と運動量の不確定原理やエネルギーと時間の不確定原理など、知ってはいたが具体例を聞きながら理解を深められた。

残念なのが最後で、一般相対性理論とかダークエネルギーの話をわずか20ページくらいで語っていて、それは流石に無理ーという内容だった。ここは著者の別の本を読んでみようかな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2024年4月9日
読了日 : 2024年4月9日
本棚登録日 : 2023年9月13日

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