坂本龍馬海援隊始末記 (中公文庫 M 37)

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  • 中央公論新社 (1976年11月10日発売)
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再読。坂本龍馬について書かれた本は山ほどあると思うけれど、やっぱりフィクションなら「竜馬がゆく」、ノンフィクションならこの本が基本だと思っている。とはいえ龍馬個人の生い立ちから辿るわけではなくあくまで「海援隊」を軸に据えての史実の丹念な積み重ね。

他の志士と比べて龍馬の圧倒的な個性はやはり海援隊に凝縮されているなと改めて思った。そもそも本来敵である幕府方の勝海舟に弟子入りしちゃって、他の勤王の志士と名乗るひとたちが京都で暗躍、無駄に暗殺などを繰り広げていた頃に幕府の海軍操練所にいて、貿易や商売のことを考えていたりして、視点が全然違うのだよなあ。まあ勝海舟のほうも相当の人物であるからこそだけど。

タイトル通り、龍馬の死後の海援隊の「始末」についても語られている。「竜馬がゆく」を読めばそれなりに愛着のわく海援隊士の面々(陸奥宗光、池内蔵太、近藤長次郎、沢村惣之丞、長岡謙吉etc.)も当然ほとんど登場するので、副読本としてもお役立ちの1冊。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ◆幕末(小説以外)
感想投稿日 : 2018年10月30日
読了日 : -
本棚登録日 : 2012年9月21日

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