HOUSE ハウス[東宝DVD名作セレクション]

監督 : 大林宣彦 
出演 : 池上季実子  大場久美子  神保美喜  尾崎紀世彦  小林亜星 
  • 東宝
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感想 : 14
3

1977年 日本 87分
監督:大林宣彦
出演:池上季実子/大場久美子/神保美喜/松原愛/南田洋子/鰐淵晴子/三浦友和

世界を飛び回る作曲家の父と二人暮らしの女子高生オシャレ(池上季実子)は、夏休みに父(笹沢左保)と軽井沢の別荘に行くのを楽しみにしていたが、突然父が再婚相手(鰐淵晴子)を連れてきて一緒に行くといったため、仲良しの演劇部の仲間たちと、亡き母の姉であるおばちゃま(南田洋子)の羽臼屋敷を訪れることに。

おばちゃまは、若き日に相思相愛の婚約者(三浦友和)がいたが、赤紙が来て彼は戦地に向かい、戻っては来なかった。しかしおばちゃまは彼を待ち続けて独身のまま一人で暮らしている。オシャレを含む7人の女子高生は、おばちゃまの家で楽しく過ごしていたが、食いしん坊のマックが急に姿をくらまし…。

大林宣彦のデビュー作にして伝説のカルトホラー。書割のような背景、なぜかいつも風になびいている鰐淵晴子のスカーフ(でも超絶美人!)、チープなコラージュのような特撮などが独特で、トンチキなんだけどなんともいえないキッチュな味わい。屋敷で起こる事件自体は結構残虐なのだけど、このキッチュさのおかげでポップに仕上っている。

そして今も活躍されてる女優さんたちの若き日の姿がなんとも可愛い。7人の女子高生は全員ニックネームなのでキャラがわかりやすい。オシャレ:池上季実子は当時18歳だけど、すでに大人の色気。今見るとちょっと石原さとみに似てる。終盤おっぱいぽろりがあってビックリ。今なら未成年にあんなことさせられないだろうなあ。

夢見る乙女のファンタ(大場久美子)は正統派アイドルの可愛さ。子どもの頃『コメットさん』見てました。がり勉の優等生ガリ(松原愛)はメガネをとると美人設定。彼女も終盤全裸シーンがあってびっくり。さすがに彼女は当時も二十歳は越えてたっぽい。食いしん坊のマック、音楽の得意なメロディ、可愛い系のスウィート。

そしてなんといっても個人的な一押しは武闘派のクンフーちゃん!演じる神保美喜はセクシー系なのだけど、ボーイッシュにアクションをこなし、7人の中でもとっても頼りになる!応援してたので、彼女まで犠牲になってしまったときはしょんぼり。

ネタバレですが、実はおばちゃま南田洋子は、彼らぬ恋人を待ち続けるまま死んでしまい怨霊のようなものになっており、猫のシロは化け猫になっている。屋敷にやってきた嫁入り前の娘を食べては若返り、ついに姪のオシャレに乗り移って白い花嫁衣装を着て歩きまわるように。

女の子たちは次々犠牲に。まずは食いしん坊マック。霊感の強い不思議ちゃんのファンタは井戸から冷やしていたスイカを引き上げようとしてマックの生首にお尻を噛まれるが、この時点では誰も信じてくれない。スウィートは蒲団に襲われ食べられてしまう。

一番壮絶だったのは、メロディーがピアノに食べられてしまう場面。全然リアリティはないんだけど、バラバラになった彼女の体がピアノからはみだしてたり、指だけになってもまだピアノを弾いていたり。そして目撃者はいつもファンタ。

クンフーはお風呂用の薪に襲い掛かられてもクンフーで撃退(笑)生き残ったクンフーとファンタ、ガリは一緒に戦うが、ついにクンフーが電氣の傘に食われてしまい、しかし足だけになってもまだキックを繰り出す猛者っぷりで、化け猫を仕留める。ファンタとガリは血の海になった家の中を戸板に乗って流されていくが、メガネを落としたガリが落下(ここで水中全裸)

ただひとりファンタは階段に辿り着くが、そこにいたオシャレはすでにおばちゃまと同化しており…。ファンタ一人くらいは生き残るのかと思いきや、なんと女の子たちは全滅。オシャレに会いに来た継母・鰐淵晴子まで犠牲に…で幕。

南田洋子は妖怪を演じるのがとても楽しそうで終始ノリノリのおばちゃまでした。若き日の三浦友和かっこいい。音楽を担当した小林亜星が、女の子たちにスイカを売るおじさん役で出演しているのだけど、本日偶然にも死去のニュース。ご冥福を。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ:  邦画
感想投稿日 : 2021年6月14日
読了日 : 2021年6月14日
本棚登録日 : 2021年6月14日

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