同期 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2012年7月13日発売)
3.70
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本棚登録 : 1812
感想 : 148
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樋口シリーズを読み終わり、次なる獲物はこの同期シリーズに。

取り扱う事件が少々複雑で、その分没入感を得にくいかな、というのが正直なところ。いや、その点を差し引ても十分面白いのですが、今野敏作品としての期待値の高さがそう感じさせてしまうのかもしれません。主人公・宇田川の同期である蘇我が警察を懲戒免職になる、なおも警察関連の捜査に携わる展開は、ほかのシリーズにはなかった展開で、思わず本当かいな、と思ってしまいます。

それでも宇田川の少々無鉄砲な行動力が事件解決の突破口になるあたりは本作の読みどころといえるでしょう。特に八十島に会いに行くシーンは生きて帰ってこられないのではないかと思わされるものでした。事件を通して成長する宇田川の姿も見どころです。

事件解決後は警察庁警備企画課からの引き抜きもありますが、刑事としての道を歩む決意をした宇田川に次回作への期待が高まる爽やかなエンディングでした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年2月9日
読了日 : 2021年2月6日
本棚登録日 : 2021年2月3日

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