巨大隕石が地球に衝突する約半年前に発生した殺人事件を追う刑事ヘンリー・パレス。遺体の発見状況からみて自殺と判断されそうな事件であるが、パレス刑事は殺人事件として捜査する。あと半年で人類が滅亡するかもしれないときに、そんな面倒な仕事をしなくてもいいのではと思うが、きっちりとした性格の被害者に報いるようにパレスも粛々と捜査をする。そして真相にたどり着く。
本書の舞台のような極限状態で、人類がどのように振る舞えるかを問われた作品だ。このような状態では群衆が勝手し放題となり秩序なき世界に移りながら最後を迎えそうであるが、まだ落ち着いていららるくらいの聡明さは残っているようだ。きっと作者が人類はこうであってほしいとの願いもあるのかもしれない。殺人の動機も泣かせるものだ。人間の弱さと強さと優しさが出ている。自分だったらどう行動するだろうかと常に考えながら読み進めた。考えすぎると気が重くなるので注意。
本作品は三部作の最初の作品だ。次の作品「カウトダウン・シティ」や三作目の「世界の終わりの七日間」も読んでみたいと思う。人類がどんどん滅亡に向かって時が過ぎるなか、パレスがどのような行動をとるのか楽しみである。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ミステリー
- 感想投稿日 : 2016年7月30日
- 読了日 : 2016年7月26日
- 本棚登録日 : 2016年7月17日
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