鍛造加工について分かり易く解説された本です。このシリーズは、絵やグラフが多く、読みやすいです。以前に金属工学を勉強したこともあり、殆ど忘れているのですが、この本を読んで数十年前に習ったことを少し思い出しました。
なにかの本で、重厚長大なものを作ることができる鍛造技術を完成させるには、時間がかかり、これが韓国や中国が日本の製造業を追い越すのに時間がかかると読んだことがあります。
この技術の優位性があとどの程度もつのかわかりませんが、ここで紹介されている鍛造を支えている工作機械は大きなものが多いなと改めて感じました。
そういえば大学時代に授業で習っていた時は、鍛造製品の製造方法の理論式やその材料の特性は習いましたが、それをつくる機械がどんなものか詳しく習わなかったと思いますので、この本で写真つきで紹介されていてイメージが湧きました。
以下は気になったポイントです。
・足踏み式の大型ふいご(送風機)を「たたら」という、砂鉄を、たたらを用いて大量の木炭を3昼夜連続して燃焼させて、溶融・還元させて鉄にする作業を、たたら製鉄という(p20)
・複数のシミュレーションソフトでバラつきが生じたのは、メッシュの切り方・変形抵抗データの取り扱いに個性がでたためと考えられる(p48)
・炭素鋼とは、炭素が0.1-0.5%程度含まれる鉄と炭素の合金、炭素量が多いほど機械的強度が強くなる、冷間鍛造には棒状炭素鋼を切断後に焼鈍して軟質にする、熱間鍛造には高炭素鋼を1200度程度にして用いる(p74)
・合金鋼は、中炭素鋼に炭素以外の元素を添加して強度、焼き入れ性、粒子の微細化等の材料特性を高める、鍛造前に焼鈍して軟質化して、鍛造後には焼き入れして硬化させる(p74)
2013年6月30日作成
- 感想投稿日 : 2013年6月30日
- 読了日 : 2013年6月30日
- 本棚登録日 : 2013年6月30日
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