焼肉屋は食べ放題なのになぜ儲かるのか~小倉優子と学ぶ会計学~

  • インデックス・コミュニケーションズ (2009年3月23日発売)
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感想 : 25
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世の中にどうしてセットメニューが多いのか、飲み放題・食べ放題が成立する理由、またそれが不利な場合について等、身近な話題を題材にして会計学の基本が楽しく学べるような工夫がされた本です。そのカラクリがわかっとしても、購入者の心理からすれば得したような気分にさせる仕組みは、考えつくされたものだと思いました。

以下はためになったポイントです。

・お客様にサービスするなら、おまけをつけてあげるほうが割引よりもお得感が大きい、これが満たされるのは一定金額以上の売上がある場合(p16)

・割引率でみると、10%ポイント還元は、9.09%割引きで(1000円÷11000円=9.09%)あり、店にとって有利(p29)

・ポイントを貯めることは、自分の手元に1000円札があるのと、その店の1000円分の商品券がある場合、商品券が良いと言っていることに等しい(p38)

・店のポイントを1000円分貯めるとは、店に1000円を無利息で貸すのと同じ話である(p38)

・セットメニューを構成する単品を比較した場合、ハンバーガーは80円、ポテトは235円、ドリンクは190円であり、ポテトが圧倒的に儲かるので店はポテトを薦める(p50)

・すべてのお客さんがカードを使用すると、カード会社に払う手数料(5%)が利益を圧迫する、通常の使用率は20%前後でカードを使えるほうが売上が確保できるから、店はカードを使えるようにする(p68)

・カード払いにしようとすると、手数料をお客さんに要求するのは、カード会社との契約違反である(p69)

・クーポン券は、売上が減ることで客に利益を還元すること、カー
ド払いは、費用が増えること、店にとっては客に利益を還元したく思うので、クーポン利用時はカード払い不可となる(p75)

・ランチの客席回転率を上げるには、スピードをあげる、集中する時間帯を避けて提供する方法がある(p93)

・焼肉でランチをやりにくいのは、お昼に焼肉を食べてしまうと、本当は来て欲しい夜のお客さんが昼に来てしまうこと(p100)

・バイキングは粗利益率ではなく、粗利益額で勝負している(p106)

・コース料理のメリットは、1)大量に調理による人件費削減、2)予約による事前準備、人件費削減、3)材料ロスなく、原価率低減、4)原価率安いもので構成できるので粗利益率アップ、がある(p122)

・DCFを考える場合、1)数年後には必ずもらえる、2)すぐに買いたいものはない、が前提条件となる(p162)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス
感想投稿日 : 2012年5月23日
読了日 : 2009年6月20日
本棚登録日 : 2012年5月23日

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