宗教の本性: 誰が「私」を救うのか (NHK出版新書 656)

著者 :
  • NHK出版 (2021年6月10日発売)
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死にゆく自分を支えるのは―― 神か、仏か、私自身か?
科学にも通じている仏教研究の第一人者、佐々木先生による宗教論です。
自分の生き方の規範、死に際の救いとなる宗教の本質を語ります。
仏教から、一神教、多神教、二元論宗教、そしてイデオロギーまで、それぞれの宗教の成り立ち、違い、向き合い方までを見ながら、なぜ人間は宗教なしで生きられないのかを解き明かしていきます。

この世をどうやって生きるかと考えたとき、私たちはどうしても苦しい道を避けて、自分にとって楽で快適な道を選ぼうとします。宗教で言えば、「自分を律せよ」と説くものよりも「願いは叶う」と説くものに惹かれてしまいがちです。一概には言えませんが、私の経験から言えば、たいていは、自分がつらいと感じた道のほうが結果的に正しかったということになるようです。欲望を満足させるかたちの選択肢は、欲望が叶った瞬間は満足しますが、さらなる上を求めて終わりがないので、結局は究極的な解決策に至らないものなのです。 ー 210ページ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 宗教
感想投稿日 : 2021年7月1日
読了日 : 2021年7月1日
本棚登録日 : 2021年6月28日

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