Sapiens: A Brief History of Humankind (English Edition)

著者 :
  • Harper (2015年2月10日発売)
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感想 : 4
5

-2017.2.5
農業改革が必ずしも人を幸せにしなかつた、労働時間は伸び、食料はかつての多様性を失つた、といふ例に見られるやうに、「進歩」が必ずしも幸福を意味しない、といふ議論は興味深かつた。最近の技術進歩と人間疎外の状況を見れば、言ふまでもないことではあらうが、それが近代に始まつたものではなく、言はば人類史の一貫した傾向だと言はれてゐる気がした。
家畜の量と野生動物の量の比較で、改めて人間が生物界の様子を大きく変へてゐることを知らされた。家畜が虐待されてゐるといふのも、薄々感じてゐた事ではあるが、具体的に描かれると、印象は強い。
現代の人類は、獲得した力の使ひ方を知らない魔法使ひの弟子か。
しかし、将来を左右するのは人間自身なのだ。
全体的に、著者は現在の文明や人間中心主義に批判的な意見の持主だと感じた。

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感想投稿日 : 2017年2月5日
読了日 : 2017年2月5日
本棚登録日 : 2017年2月5日

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