人間の推論について、心理学の立場から眺める書。推論に関しては、論理学、確率論、推測統計学という規範的な科学と呼ばれる領域からの見方と、心理学は、実際に人間がどのように推論しているかについての知見や理論を提供することから記述的な科学ということになっている。
本書は、人間は論理的に推論するのか、確率的な世界に対する推論、推論を方向付ける知識、感情、他者といった、それぞれ論理、確立、日常推論とある程度独立した角度からの”人の推論”に対する考察がなされている。
全般的に、それぞれの推論、思考過程に対する実例に基づいて記されており非常にわかりやすい。人の思考過程について探索するには、領域を広くカバーしているようでもあり、良書であると感じた。また、本書を読むことにより、人間の思考は種々の状況、知識に左右され、それを模倣することの難しさを改めて実感した。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
認知心理学
- 感想投稿日 : 2011年10月23日
- 読了日 : 2011年10月23日
- 本棚登録日 : 2011年10月23日
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